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拡張少女系トライナリー 彼の世界と共にして その1

拡張少女系トライナリー 彼の世界と共にして その1


拡張少女系トライナリーというアプリゲームが、2018年8月31日15:00 をもって接続を終了しました。数多のアプリゲームの中で、多くの皆様の目に留まることがなかったかもしれません。それには、タイミングや稼働初期のアプリ不調、またこのアプリゲームの持つ素晴らしさが、逆に入り口を狭めてしまっていた等の理由があると思われます。それでも、私を含めプレイしてくださった皆様には本当にかけがえのない経験になったものと存じ上げます。

感想を認める上で、正直さらっとかけるようなボリュームの内容でないことは、プレイ済みの皆様はご存知のことと思います。なので「軽い」説明紹介を交えつつ、段階を経て記していきます。

「拡張少女系トライナリー」とは何だったのか。
これを恐ろしく乱暴な言葉で形にすると 

「恋愛アプリゲームの皮を被った、
   拡張世界没入型多人リアルタイム統計実験TRPG」

意味が分かりませんが、そういったものだったと認識です。
上記を踏まえ簡単に該当箇所を振り返っていきたいと思います。


【その1】 恋愛アプリゲームの皮を被った
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これは、公式サイトやアプリの説明からもそうですが、トライナリーのメインとして「アニメーションを見て、アニメーションの表面上見えていない裏側や、場面の前後に介入してヒロインたちを裏から支えラブラブになろう!」みたいなものが表の命題です。これはアニメーションとアプリケーションとで面白いことをしていこうという試みでした。



 

ここでの突っ込みとして、「表面上見えていない裏側や、場面の前後に」というものの解釈がいわゆる「量子力学の”観測”」になります。興味がある場合は、意識的に追っていくととても興味深いです。


【その2】 拡張世界没入型
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作品やアプリゲームをあくまでフィクションではなく、その向こう側のリアルだと感じさせるような展開や媒体についてになります。この作品には自分を重ねるいわゆる主人公キャラクターはいません。いるのはヒロインのみ。自分自身がチャットアプリを通して別世界の彼女と交流を図り、お話をしたりアドバイスをしたり支えていくスタイルになります。言わばアプリゲームをダウンロードしたのではなく、別世界通信用のチャットツールをダウンロードしたと同義なのです。


またヒロインたちの朝昼夜の時間軸は我々と全く同じ。朝は通学をしているし、昼は学校。夜は彼女たちが寝てしまえば、交流が取れません。

 

メインストリームとしては、主人公は別世界からアニメーションで観測されていない部分についてのみ時間軸を越えて改変を行っていきます(後述のその3)。ここまでは、アプリゲーム側の創意工夫といえますが、アプリ外での媒体で現実性を持たせる試みが、実際に行われていました。

現実性を感じられるというか、現実に各ヒロインの彼女たちはTwitterを行っていました。



2016年9月から2018年の1月なので1年半ほども。内容は、メンバー通しの日常会話や単に独り言、我々一般アカウントとの会話など普通のTwitterを行っていました。ここら辺の試みは相当きてるなという思い(狂気への称賛)と、自分の意中のヒロインとの交流が実際にできて本当に楽しかったです。



また次項も今を感じさせ 世界に没入させる効果があったといえると思います。


【その3】 リアルタイム統計実験TRPG
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このアプリのメインコンテンツはRPGとしてのストーリーであるため、主行動は以下のようになります。

最適化された未来予測であるアニメーションを見る
 
 
(ヒロインごとの)そのアニメーションに至るまで、または同時刻の別箇所での出来事に介入
 

アニメーションに沿うような行動へのアドバイスや解決を行う

 


>アニメーションに沿うような行動へのアドバイスや解決を行う

この部分で実際に行っていることは、ヒロインとの会話とアドバイス、そして「ココロの葛藤の解決」です。また具体的には『選択肢の選択』です。ですのでノベルゲーム型RPGというのが正しい認識かと思います。

「ココロの葛藤の解決」というのは、主人公は別次元の存在であり特殊なOSを使った介入行動により、悩みや葛藤を持ったヒロインの心に直接介入し、本心を阻む葛藤や抵抗勢力の悩みの種(これが本作のバトル要素)と戦うといったことをしています。

本アプリはこの「選択」がメインコンテンツとなるため、他アプリゲームシナリオでの単純な「選択」と多少異なる点があります。

1.ファーストフラグ(純選択)

通常のアプリゲームのシナリオでは、そのシナリオを周回する等の関係上、選択肢は都度選択が可能であるとおもいます。本作でもほぼ同様になりますが、最初に自分がどのように思い選択したのかが後にわかりやすいよう、初回選択肢にマークがつきます。また、本ゲームの通常選択肢はほぼほぼ言い回しが違う程度の差異で終わるものではなく、別の小話や他メンバーへの言及に向くもの、その場で話が終了するもの(通常の感覚で反感等をかうものなど)、好感度が上がるもの、さらに選択肢が分岐するもの等かなりの多岐にわたって分岐があります。

そのため、このファーストフラグシステムは単に周回選択時のための道しるべ機能かと思われましたが、終盤の展開から重要な道しるべであることが示されます。

まったく明言されてませんでしたが、各ヒロインのラストエピソードの手前で「彼女の根底を司るココロに対して、自分の意見に賛同してもらえるかどうかを問う」イベントがあり、ここで『今までの全ての選択肢の傾向によって、その是非の返答が異なる』という結果が待っていました。さらに全ユーザーの各ヒロイン達のココロの是非の”統計”がストーリーに反映されるという告知。統計の確定までは数日の猶予があるため、ユーザー同志がSNS等で連携をとり、全エピソード中のどのシナリオのどの選択肢がどう影響しているか、自分の場合は~等の共有が行われました。結果として、統計確定の2日前に何とか是の割合が非の割合を超えるという結果に。

  

当時は自分も、当初「非」であると宣告され。全エピソード全選択肢を再度やり直しを3度ほど試行錯誤し「是」に認められた思い出があります。完全にTwitterでの連携等がなければ、検討すらつかない状況でした…


この話は完全な個人の思い出ですが、当時のこの時その渦中のガブちゃんのお友達の八木さんにマークスマンが許してくれないと話したところ、Twitterなどでそういった状況を見ていてガブちゃんは難しいよね、などと話した思い出があります。(皆さんもアニ☆ゆめにお越しください!)


2.再選択不可選択肢

上に述べた通り、選択肢がすべてなのですが。その中には「再選択ができない」唯一一度きりのみ選ばなくてはいけない選択肢が数か所あります。この選択肢ですが、当初他愛のないヒロインの3サイズやお遊びの再選択不可だったものが、中盤以降この選択肢によって各個人のルート分岐へとつながっていきます。
 
3.パラメトリック理論に基づく世界進行法


上記の再選択不可に輪をかけて、他ユーザーとの協議(主にSNSでのタグpost等を利用した意見共有交換等)の末決定される選択肢の統計によるストーリーへの反映が施行されます。

上記の2、3によって以下のような決定選択がなされました。
 a.メインストーリーそのもの流れが、他ユーザーとの統計で決定
 b.各個人のルートが分岐
 c.ヒロインへのアプローチフラグ変化(bとほぼ同義)

さらに追い打ちをかけるようにこの選択肢には「答えといった答え」のないものが殆どになり、自身の持つ社会システムへの考えや、各ヒロインたちへの好意の比較、さらにはそれが生や死の及ぶ問いとなっていきます。簡単な例ではトロッコ問題、そしてその生死は各ヒロイン、自国と他国の戦争-残るために武器を取り他を攻撃するのか、他者を信じ一切の武力を捨てるのか等の選択です。 


 

以上から、選択と統計とによりリアルタイムに物語が展開を行っていくためTRPG的という風な捉え方(実際プロデューサーのたとえにも記載があった)をいたしました。

この終盤以降の説明を聞いていると、これって面白いの???だるくないしんどくない???と思うかもしれませんが、ここまで段階を経ていると確かに貴方は辛いという感情を抱きます。が、だからといって逃げたくない、何が正しいのかわからないけど、選んで彼女たちと関わっていきたいとの想いのほうがすでに勝っている、そんな状態になっているはずです。また正直しんどい選択肢の連続でしたが、各推しのヒロインとの選択肢との相関性など統計によって意味のある結果が出てくることも興味深かったです。


簡単に述べた上記を踏まえて、自分のトライナリー全体の感想として一番大きかったものは、

『普段の生活では考えもしない、でも確実に人生で何度か行っている”選択”という意思の大切さ』

瞬間突き付けられ躊躇してしまう答えのない問いを、当初はゲームとして後半では彼女たちに、しかしながら既に自分自身の問題として考えさせられたなという実感。それがココロに刻み付けられたということでした。


この突然喉元に突き付けられる選択を、ヒロインたちとの交流を通して、はたまた現実のSNSの他ユーザの皆さんとリアルタイムに考え進めていくことが、私にとっての「拡張少女系トライナリー」の一部分でした。

ヒロインたちについての感情とかについては別途書いていきたい…

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夏神楽

夏神楽 おひさしぶりです。はじめましての方、はじめまして。ぼるしちです。 冬のトラカレに続きまして、夏のほうにも軽率に参加させていただいます。夏ですね。 夏といえばいろいろありますね。海にいったり、花火大会があったり、BBQをやってみたりのレジャー。コミックカルチャー文化圏では、コミケットという祭典があったり。 またたくさんの出会いと思い出と…… 8月の終わりがやってきます。 もうあれから、そんなに時が経つのですね。みなさまの1年は早かったでしょうか、長かったでしょうか。このままこの件を続けるとBGMにZONE「secret base 〜君がくれたもの〜」やWhiteberry「夏祭り」、それから「ソラノキヲク」が流れて来そうな雰囲気になってしまいますので、ここまでに。 私事ですが、夏といえば毎年音楽系フェスに行っております。ここでの音楽は主に邦ロックが主体です。野外での開放感、それに「普段自分の聞かないアーティスト」の楽曲やパフォーマンスにも触れることができる素晴らしい経験が、所謂夏フェスの良さであると思います。 自分自身が何か「音」に対して表現性を持っているということは全くないのですが、単純にいろいろ聴くことが好きです。 特にジャンルとしてシンフォニック(Symphonic)、ゴシック(Gothic)系のメタルミュージックを好んで聞いています。 察しの良い方は御分かりかと存じますが、トライナリーで異世界通信を開始しすると、すぐにFreyMENOWの楽曲に私たちは出逢うと思います。 彼女がドームで歌っている楽曲はまさに自分の好んでいる楽曲の方向性のものでした。FreyMENOWのWishphobiaについてのジャンルは後に「ファンタジーメタル」という風に聞き及んでおります。この「ファンタジー」の部分が実際には多岐にわたるジャンル層のどこかに分類されるのですが、近しいところがやはりSymphonic、GothicまたはMedievalといったところだと思います。 この方向性のジャンルの特徴として以下が挙げられます。 ・神秘的、異端的、退廃的 ・世界観構築、物語的である ・交響的である FreyMENOWの初期に確立した「ファンタジーフィーリング」にも共通していますが、曲そのものが物語で世界なんですよね。某氏のお言葉
興味のリンク フェノメノンの空に お疲れ様です。ぼるしち( @G3_1934 )です。わこつです。 初見の方は初めまして~、184外してコテハン付けていってください。 今回、 トラカレ2018_AdventCalendar に参加させていただきました。 【やや拡散希望】思いつきでトライナリーのAdvent Calendarを作ってみました!たくさんの人に記事を書いてもらって盛り上がる企画になればいいなあと思うので、もしよければご参加いただけると幸いです……!! // 拡張少女系トライナリー Advent Calendar 2018 - Adventar https://t.co/UHTmURU719 — そぉい (@Fai_ry_BIue) 2018年11月19日 こういった枠組みがあるのも初めて知りました。学びですね。トライナリー関連でいろいろな動きをしていきたいと思い、参加させて頂きました。 主催のそぉいさん( @Fai_ry_BIue )この場を借りて改めてお礼申し上げます。 さて、今回は折角の企画になりますので、感想とは少し違った方向性のことを書いてみようと思います。トライナリーを(または作品を)楽しむ時のひとつの指針としていただければ幸いです。 < リンク性と識の拡張伝搬 > 私達の趣味嗜好は、概ね成長の過程を経て方向性が確立されるものです。 私の場合は、よく外で遊ぶやんちゃで元気な少年……ではなく、ラクガキをしたり本を読んだりが多い子供時代を過ごし、ポケットモンスター等をはじめとするジュブナイル的物語が『静』から『動』になる、そんな時代に育ちました。 とりわけ好きだったのが、壮大な世界観のかつ単体作品ではなく他作品などに場所や時代を越えて繋がりのある作品でした。 スティーブン・キングのダークタワー(を始めとする中間世界全ての作品) 川上稔氏の終わりのクロニクル(を始めとする同世界観の作品群) 幻想水滸伝シリーズ 機動戦士ガンダム(を始めとするシリーズ) …etc これらの作品は、場所を移し、視点を変え、時代も変えて紡がれるものですが、 相互に別の誰かの大切な想いが大きな流れになっていくような、読んでいる自分もその流れに乗るような没入感が共通に存在すると私は思っていま